東京都国分寺市のJR国分寺変電所で十日朝に起きた火災で、東京-甲府間の上下線が不通となった中央線は同日午後三時、約七時間ぶりに全線で運転を再開した。影響は約五十万人に上り、過去五年で最大のトラブルになる見込み。
JR東日本によると、変電所で漏電したが、故障でブレーカーが作動しなかったため、出火した可能性が高いという。
同社によると、同変電所は、六万六千ボルトの電気を千五百-六千六百ボルトの電圧に変換し、立川-武蔵境間に送電する。
午前十一時半ごろ、別の変電所二カ所からの送電に切り替えたが、無線や信号機器も損傷しており、復旧に手間取った。
中央線はこの日、上下四百十一本が運休。運転再開後もダイヤは大幅に乱れた。同社管内では、二〇〇七年に田町駅で起きた信号トラブルで、四十四万人に影響した時以上の混乱となった。
警視庁小金井署の調べでは、変電所二階の変電設備の燃え方が激しかった。
同社は漏電による出火とみているが、漏電を遮断するブレーカーは何らかの故障で作動しなかった。ブレーカーは昨年十二月の目視検査では、異常なかったという。
JR東日本管内では二〇〇六年九月にも東京駅地下構内の変電所で火災が起き、京葉線のダイヤが乱れ約二十一万人に影響した。このときも、今回と同様の原因とみられるブレーカー故障で出火。過去の教訓が生かされていないのでは、との指摘も出ている。
〇六年の火災では、変電所のブレーカーが何らかの不具合のため、漏電した異常な高圧電流を遮断できず、配電盤やポイント転換装置などを焼いた。この火災で京葉線は不通となり全線開通までに二十七時間を要した。
JR東はこの火災後、変電所のブレーカーを改善する一方、トラブルが発生しても隣接する変電所がバックアップするシステムなどを整備したという。
しかし、今回の火災も、漏電をブレーカーが遮断できず出火した可能性が高いとみられ、バックアップも機能しなかった。
また、火災探知後、変電所構内に消火ガスが自動的に充満。消防隊が立ち入れず、復旧を遅らせたことも〇六年の火災と同様だった。同社は「(〇六年の火災後)改善した部分とそうでない部分があり、原因を調査しながら、教訓が生かされなかったのかどうか精査したい」としている。
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